『自由くん』と『孤独ちゃん』

自由と孤独は表裏一体

5年と5ヶ月目の、月命日。

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こんなに綺麗に晴れてるのに、明日雪なんだってよ。やだね。

冬も花はすぐ枯れちゃう。

もう、葉っぱがしなしなになってた。昨日買ったばかりの花なのに。

 

天国は暖かいといいな。

 

 

 

起きてiPhoneを見てたら、「介護施設から帰ってきたら母が骨折していた」という記事を見かけた。

介護施設から戻った母が骨折、寝たきりに 真実知るため娘は法廷へ(毎日新聞)

 

 

私の母は、難病が進んでからはときどき特養のショートステイにお世話になっていた。

その、ショートステイに入っている間に何かが起こり、母は亡くなった。

 

私が寝ていたら父から「お母さん、もうダメみたいだ」と電話。

父は、施設から電話を受けたという。

 

慌てて病院に行ったら施設の人はついていてくれたけど、母の姿を見てもうどうしようもなくて、、、どうせ施設の人に居てもらっても仕方ないし帰ってもらったような気がする。あまり憶えていないけど。

 

 

あとから考えると、あのとき施設の中で何があったのか、、、どうして母はあぁいう風になったのかと疑問は沢山あるし問い詰めたいような気もする。

同じ特養の中のデイサービスにも通っていたのだが、ときどき荷物がとんでもない状態で戻されていたり、例えば失禁があっても、水洗いさえしてくれなかった。

家庭での介護の負担を少しでも減らしてくれるのが介護施設なんじゃないの?…と私は思っているので、まさか仕事を増やされてデイサービスから戻ってくると思わず心底ガッカリした記憶。もちろん、私は泣きながらそれを手洗いした。

せめて水洗いだけでもしてくれたら。。

とにかく日々に追われて毎日イライラしてて、両親から「あまりそんなに施設に当たるな」と言われていた。でも、やっぱり「おかしくない?」と思うことは沢山あったし、〝あの日〟ももしかしたら母は施設に殺されたのかもしれないと、死んでから何度も思った。

 

しかしあの日、例えば奇跡が起きて母が一命をとりとめたとしても、、、遅かれ早かれ母は亡くなっていただろうし、人間はいつか死ぬのだからそれが早まってしまっただけなのだ…とも思っている。

寝たきりになってからいつもヘルパーさんに「早くしにたい」と泣きながら母は言っていたようで、そんな風に言わせてしまっていたことは未だに申し訳なく感じているけど、、、もしもあの状態のまま命が繋がったとしても、母にとってはそれはまた「早くしにたい」と思いながら生きる日々を延ばしてしまうことになるのだ。

あの状態だったら入院費もずっと物凄くかかるだろうし、費用的な現実問題も含め、どうなっていたのか想像もつかない。母に、思うような医療や介護を受けさせてあげられなくなっているかもしれない。

 

時々、あのとき母が一命をとりとめ入院になって、そういう暮らしが今も続いてたら……と考えることもある。

今のボスなら休みは充分取れるだろうから、病院に毎日通うことに難はないだろう。でも入院費を稼ぐために他の仕事もしているかもしれない。

きっと推しのことは好きにもなっていないだろうから、日々なんの楽しみも見出せてないかもしれない。だけどそこには母が生きていてくれて、それだけで充分だったのかもしれない。

 

どっちの暮らしが良かったかなんて分からない。

ただ、私は母に〝元気で〟生きていて欲しかった。

 

 

 

あの日、病院に駆けつけて家族で決断したことは、「延命治療は行わない」ということ。

悲しくて悲しくて仕方なかったけれど、もう、そうするしかなかった。

 

それからは、「このあとってどうすればいいんだろう」ということばかりで、施設どうこう…では無かったけど、

 

でも今でも、「真実を知りたい」という気持ちはずっとある。

 

 

だけど今さら施設に何かしたところで、真実が明らかになっても母が戻ってきてくれるわけじゃ無いのだ。もしかしたらほんの少しお金が貰えるかもしれないけど、、、だから何?って感じ。元気な母は帰ってこない。

元気だった母が帰ってきてくれるなら、めちゃくちゃ戦うだろうけど、、、もうそんなことは無いのだ。

 

 

ずーーーっと、母に「まだ生きていて欲しかった」という気持ちと「あの日はもう仕方なかった」という気持ちのせめぎ合いである。

 

とにかく、「難病」になってしまったことが一番悲しいけど。

だってまだ60代だもん。

元気にその辺遊び歩っててもおかしくない。

 

 

 

 

なんで死ななきゃならなかったんだろう、あの日施設で何が起きたんだろう、、、

 

その気持ちはずっと抱えたまま、これからも私は生きるのだろう。

 

 

母に「自分を責めすぎるな」と言われた。

 

 

 

 

前を向いて歩いていくしかない。

母に会うために、私は命を全うするのだから。